20080729

鉢行列。



 戸駅からすぐの立体駐車場横。

なぜか、こんな時期なのになにも植わっていない鉢の行列。画角の外までずらっと列んでいた。壁の線とそこに溜まる汚れ、下のコンセント2つに手前のポール2本。そそして横断するオレンジの鉢。すごく淡白だけれどそれでいてあまり見かけない様が良かった。

一番近いところ。



 宅マンションの敷地内の壁。

早いもので、このマンションに住み始めて3年目。新築だったのにコンクリはこんなに表情がつきました。とても良いと思います。打ちっぱなしのコンクリの、セパレーターの模様はどうしてこうも魅力的なのか。円だけでもかわいいのに、それが等間隔に並ぶ。かわいい。
そしてこのマンションのセパの跡は随分と数が多いような気がする。きっと、千葉大の山を支える為にも、アネハ事件のあれでも色々なことで気を使って、なるべく精度の高い壁面を作ろうとしたのだろう。好感が持てる。

20080727

豆炭。



 ほどの燃料会社のお話の後に見つけた近くの看板。

しょっちゅうこの前を通過しているのに、こんなかわいいタイポがあったのには気づかなかった。錆びた部分と塗装された部分の混在したトタンは、良い。さらに塗装と違う色の看板なんてあったらさらに良い。こんなタイポの描かれていた時代は黄色い地の看板が多く、日に晒されても良い味が出る一方だ。いや、でも青もシアンになって赤もピンクになって、それぞれ素晴らしい味になるからどれも良いのだけれど。

灯油倉庫跡。



 戸の古い住宅街に突然現れた空き地の壁。

ここの空き地は門で閉ざされ、戦争を経験したであろう倉庫と共に遺跡のような石壁だけが蔦に覆われていました。本当に、小さな「遺跡」のように壁が遺っていたので、誘われるように蔦をかき分けて入ってしまいました。夢中で撮影していると、門のむこうからおばあちゃんが覗いています。そりゃあ、昼間に若者がカメラ持って荒れ地に侵入していれば訝しむのも訳は無いでしょう。

「こんにちは、ここはいつ頃からこのような土地なんですか?」
先制攻撃を繰り出しました。本当に気になった事と、怪しまれてはいけない、という意味を込めた挨拶。廃墟侵入で培った挨拶です。あとは、ずっとおばあちゃんのターン。

元燃料会社の倉庫だったものが廃業になり、だんだんと屋根がはがれ危険が増したために壁を残して取り壊されたものだそうです。おばあちゃんが丁度お嫁に来たのが昭和30年頃だったようで、その頃には稼働率はすごかったようで、山形などから出稼ぎにきた人が燃料を運ぶためにこの辺りを回ったりしていたそうな。ここから少し離れた団地にも従業員はたくさんいて、当時は油のドラム缶などを手で運んでいたらしい。
そして、入り口にあった倉庫には当時娘さんが描いていた油絵が保管してあるらしい。灯油倉庫と明記された倉庫に今は油絵が保管されているとはなんともはや。

今はこの燃料会社は廃業し、すぐ角の家で奥さんが暮らしているのだとか。なるほど、確かに角の家は石壁で覆われ、大きな倉まである。そしてさらに、2年近く前につぶれたすぐ近くのガソリンスタンドもここの所有物だったそうだ。まさかあの味のあるスタンド跡がここの所有物だったとは思いもしなかった。
こんなに詳しいおばあちゃんは、空き地の隣の家の住人でした。挨拶していてよかった。

しかし、こういった古い町の老人に話を伺うのは本当におもしろい。
「このあたりは昔はなんもなかったんだ」
「あれはあたしがお嫁に来たときだから…」
等の台詞にはいちいち感動してしまう。

なにはともあれ、通報されなくてよかった。
挨拶は法を越える!

勝ち残り自販機。


2
 台じゃあ電気代のほうが上回ってしまったのか。

壁に残るコンセントと染みが哀しさを誘います。特に個人的にPOKKAの自販機は応援したくなってしまうので、さらに残念。プリンシェイクやらゼリーものやら、地味なイロモノを出し続ける企業努力には感服します。きっと、若者のろくに通らないこのような道では出番は少ないのでしょう…これがPOKKAでなければ…この素敵なスペースと染みとコンセントには出会えなかったのでしょうか。

店 商  田 森。



 瞬、左右が反転していそうな気持ちになる漢字。

先ほどのシアントタンの斜め向かいくらいにある。なんの商店かはわからないけれど、ここは開いているのを見た事がある気がする。たたずまいも綺麗にされているし、きっと現役なのだろう。ぴしっとした見た目なのに深みがあるのは、この青やらが上から塗られているのが読めることとかからきているのかなーと思う。

シアントタン。


 家の壁にしては強すぎるくらいのシアン。

この通りにはトタン壁が数軒続いているが、どれも良い味のある色味をしている。中でも特に良い発色で存在感が強いのがこの家だ。それにしても、ここまで強いシアンにした意味はどこにあるんだろう。

右からドア上部へ延びてきている細いパイプがとても良い。

ご無沙汰でした。



 しぶりの投稿。

撮影やら写真集の作成やらはしていたのですが、全く投稿をしていませんでした。本日、久しぶりに自宅近辺を散策してきたので、そのときのものを。






 烈な縦の赤錆、横にかかる青い傘、シャッターに浮く横の赤錆。

縦の錆は雨などから、横の錆はシャッターの凹凸の上の面に張り付いている。青い傘が無ければまた違う表情が生まれていたのだろう。
積層された時間を伝えるのに、錆はとてもわかりやすい質感だと思う。特に、外気に晒される壁ならば色々な要因で表情が変わりやすいのがまた良い。このシャッターが開いているのを見た事が無いからきっと、これからもどんどんと錆が強く広がっていく。